このページでは、このホームページに来てくださっているお友達や、調律にお伺いしているお客様から
たっちゃんへ技術的なご質問以外にお寄せいただいた様々なご質問をここにまとめて回答してみます。


なぜ調律師になったの?
ピアノの音が好きで、色々な物を修理することも好きだったからです。高校時代に吹奏楽部で楽器を演奏するかたわら指揮もやっていたため、各楽器の特性の勉強をしていくうちに音に対して興味を深く持ちました。吹奏楽では演奏のたび音を合わせますし、各楽器の特性によっても同じ和音でも響きや雰囲気が変わりますね。ピアノしかやっていなかったら、ここまで音に対して興味を持てなかったかもしれません。
2 いつごろ調律師になりたいと思ったの?
高校3年生になってからです。高校は一応、進学校に行っていたので大学で数学の教師になるための勉強をしたかったのですが、吹奏楽一筋に過ごしたために(すごい言い訳です)、大学に行けなくなって(卒業も危なかった)、専門学校を探していたのでした・・・(汗)
高校時代の先生方、勉強もせず音楽づけだった私を優しく送り出してくださってありがとうございました(ゴメンナサイ)。
3 調律師って楽器店の社員なの?
調律師には色々なタイプがあります。楽器店の社員の調律師の他に、調律事務所の社員やピアノ製造工場や修理工場で働く調律師もいます。私は、工場や楽器店の勤務経験を経て、今は自分で調律事務所を経営しています。自分の店への、一般のお客様からの直接の調律依頼や楽器販売の他、提携しているヤマハ特約店等楽器店の調律を委託でお伺いしています。最近では、私のような楽器店と提携契約を結んでいる個人調律師が増えています。
4 忙しい季節は?
10年程前まではずいぶんとピアノの売れ行きもよく、そのため一般的に1年に1回のペースでお伺いする調律は、最もピアノの販売台数が多い春に集中していました。しかし、最近では、春だからといってそんなには多くのピアノが売れませんので、年間ほぼ平均して仕事があります。
5 1日何台くらい調律するの?
調律師によって1日の仕事の件数は異なりますが、私の場合は「基本1日2台」と決めています。まれに1台や3台のときもあります。1日2台だと、1台目が終わった後に、気分を入れ替えて次のピアノのことを考える余裕ができる上、2台目が終った後に、そんなにクタクタにはならなくて済むからです。1台1台ピアノの個性に合わせてより良い状態に調整したいですし、前回お伺いしたときのピアノの状態を思い出しながら、演奏されている方の弾き込んだ結果の音色のくせと、1年間の気候の変化も含めて今回の作業方針を立てて調律するためには、かなりの集中力が必要です。
6 お休みはいつ?
「お休みはいつ?」とお客様に聞かれたからといって必ずしもデートのお誘いではありませんが・・・(笑)
私は、最近では月に3〜4日の休みをとっています。2連休のあとに、3週間が休みなしという時もあります。自分が経営者ですので、休みたければ事前に休みを確保することもできますが、ピアノの練習と同じく調律も感覚が大事ですから、できるだけ毎日ペースを乱さず調律したいので、長期の連休もあまりとりたくありません。年末年始と夏のお盆休みは1週間前後休みを取りますが、感覚を維持するためにもその期間中には親戚や友人のお宅のピアノの調律をしています。
7 この仕事は何年やってるの?
高校卒業後に調律の専門学校に2年間通って、その後、ピアノの修理工場で働いたり一般のご家庭の調律にお伺いしたりしています。今年で35歳になりますので・・・専門学校卒業後からですと、15年目です。
なお、(社)日本ピアノ調律師協会などの調律業界での経験年数の数え方は、認定された調律学校での勉強期間も「調律経験歴」に入れますので業界経験暦では17年目になります。
8 調律をやっていて人との出会いってあるの?
ピアノの調律は、基本的に1人でお客様のお宅へ出張する仕事ですから、かなり孤独な仕事ですね。大手楽器店なら、他の社員や音楽教室の生徒さんと接する時間もありますが、私のような調律事務所ですと、お客様以外の方と出会う機会は確かに少ないですね。
私の場合は、性別問わず学生時代からの友達ともけっこう付き合いがあります。また、インターネットを使った出会い(出会い系サイトではありませんが)もあります。また、このホームページで知り合った方々とも、調律の空き時間や終了後に時間や場所が近ければ、実際にお会いしたりもしています。調律にお伺いした先のお客様と、プライベートでもお友達関係になることもあります。
もし、生たっちゃんに会いたいという方はメールを送って下さいね!(笑)まぁ、あまり休みはないのですが・・・それと、一応既婚ですので、恋人は募集しておりません(爆)
ただ、どちらかと言うと、お客様のお顔は忘れても、ピアノの音の特徴や部品のくせは良く覚えていたりします。
9 調律の後にチップって渡したほうが良いの?
日本では「チップ」という習慣は、日常的には少ないですよね。そんな中でも「ピアノ調律師」は、けっこう「チップ」を頂くことが多いほうかもしれません。金額は様々であまり公表するものでもないとは思いますが、私の場合は「おつり分」から「車代」「お茶代」「食事代」等として頂くこともあります。調律代金と同じくらい包んでいただくこともありましたが・・・。特にチップを払ったほうが良いとかいうことはないですよ。
私が何よりうれしいのは、定期的にお客様のピアノをメンテナンスさせていただけることです。日々のピアノの弾き込みかたによって音色が年々変化していきます。そのピアノの成長を拝見させていただくことが、この仕事の何よりの楽しみです。
10 調律師にお茶を出したほうがいいの?どのタイミングで出したほうがいいの?
お茶を出してくださるお宅はとっても多いです。おもてなしを頂くことには、とても感謝しています。調律師にもよりますが、仕事の後にピアノの状態をご説明差し上げたり、日頃のピアノのご使用状況の伺ったり、メンテナンスについてアドバイスをしたりとお話したいことがありますので、確かに仕事の後にお茶を頂けるとその際にじっくりとお話できますから助かります。
私は結構話が長いほうですので・・・、お話し好きなお客様のお宅ですと、いつもお食事を出して下さって奥様と一緒にピアノの話で何時間も盛り上がってしまうこともあったりしますが(汗)
数分程度のお時間をいただけるとピアノの状況報告はできますから、お茶にこだわらなくても良いと思いますよ。でも、車でお伺いすることも多いので、お酒を出していただいても飲めません・・・(泣)
11 調律しているところを見ていても良いの?
私の場合は、ピアノの中を一緒に見ていただくことは歓迎しています。特に普段使っていらっしゃる方に見ていただいていると、作業中に気になる点をピアノの中を見ながら一緒に確認していただいたり、こちらから音色やタッチについてお好みをお尋ねすることもできます。ピアノの中身に興味を持っていただくことで、ピアノの性能を最大限に発揮した演奏に役立てたり、より長く大切に使っていただければ、とってもうれしいです。小学生のお子さんでも、主婦の方でも、構造や理論はわからなくても、調律師が何をしているのか、ぜひ興味を持ってください。
なお、調律師の中にはそばで見られることを苦手とする人もいますので、一応、担当の調律師に「そばでじーーっと見ててもいい〜?うふ(ё。-)・・☆」と、聞いてみてくださいね。
12 お客さんからナンパされた事はあるの?
何気に多いご質問です(笑)
私の場合は、・・・何度かあります。でも、私は既婚ですので・・・危ないことにはなりませんがo(*^▽^*)o
ちなみに同性からナンパされたことはありませんね〜。買い物やコンサートやお茶したり食事したり・・・・程度は、妻公認でデートしています。隠し事するようなことは何もありません。プライベートでお友達になることはありますので、休みの日に私の妻と一緒に出かけることも多いですよ。
13 今までビックリしたお客さんとのエピソードは?
ビックリしたというと失礼な言い方かもしれませんが、私の過去の経験では・・・
●初めお伺いしたお客様のお宅が・・・調律が不要な電子ピアノだった。・°・(>_<)・°・。
●私は埼玉県に住んでいますが・・・九州まで調律に来てほしいといわれた。関東地方全県にはお伺いしていますが・・・。
●女子学生さんのお宅にお伺いしたら・・・うすーい生地のタンクトップにパンティだけという、とってもラフな服装(?)だった・・・。調律後にピアノの音色が透明感のあるきれいな音になってしまいます(笑)
●若い奥様がお一人でお留守番のお宅で・・・調律している間中、ずっとそばにぴ〜ったりとくっついていられた。見ていただくのは良いのですが、体をあまり押し付けられてしまいますと・・・調律後にピアノの音色がセクシーな音になってしまいますから〜(汗)
●ピアノのカバーをはずしたら・・・へそくりが出てきた!バツマークの多いテストの答案用紙が出てきた!ゴム製のとあるモノがでてきた(汗)どれもこれも、あとでご家族で、もめたそうです・・・。ご注意ください(笑)
14 コンサートの調律もやってるの?一般家庭の調律との違いは?
はい、やっています。
調律師によっては、コンサート調律を主としている方もおりますが、私の場合はコンサートの仕事よりは一般のお客様のお宅の調律台数が多いです。
一般のご家庭のピアノでは、演奏されている方のお好みや普段の弾き込み方のくせやお部屋の環境を考えて、1年間安定した状態でより長くピアノを使っていただくことに重点をおきます。
コンサートでの調律の場合は、その日のコンサートの曲目や、会場の音響の状態、お客様の入り具合(人数)や季節による服装の違い(音の反響に影響するからです)、ピアノのその日のコンディション、そしてピアニストの方のお好みに合わせて、調律や音色やタッチを調整します。さらには、ピアノのステージ上での位置や角度の調節もピアニストの方と相談しながら決定します。
15 お客さんにされていやなことは?
基本的にピアノの調律をご依頼いただくお客様は、ピアノ好きで音楽好きな方ばかりですので、いやなことはあまりありません。難しいご要望をいただいたとしても、それをこちらでどう工夫したら少しでもご満足していただけるかを考えて作業します。

それでも強いて言うのならば・・・使っていないという理由で何年も調律をしていただけないのは寂しいですね。
あとは、ピアノのそばで加湿器を使わないで下さいとか、ピアノの足元にストーブを置かないで下さいとお願いしても、ご協力いただけない場合も残念です。それで故障するのは100分の1ミリ単位で作られている木の楽器である以上、当然ですから・・・。
また、調律のお約束を当日にキャンセルされたり、特にお伺いしてご不在だったりすると、正直どっと疲れます。急用の場合は仕方ありませんし、私のほうでも何らかのトラブルで当日お伺いできなくなってしまうことだってあると思います。急に体調を崩された場合は無理はせず、当日でもご連絡いただいて延期して頂いて良いです。私も体調を崩したら無理をして調律をしませんし。その際はお許しください。しかし、単に延期したいのが理由だったり、天気が良かったり、バーゲンがあったりでお友達やご家族でのお出かけが理由だったりすると・・・数日前までには、ご連絡いただきたいです。前日や当日にキャンセルをされても、調律師はその時間帯に急に代わりの仕事をするわけにいきません。1日に2〜3件程度の仕事ですから、1件の仕事にかける思いは強い仕事です。お伺いする前日には次の日の仕事を考えています。もちろん、スケジュールの組み合わせを考えているときから、すでに前回お伺いしたときのお客様のピアノの状態を思い出して、作業方針を決めて気持ちを集中しています。汗をかくほどの集中が必要な調律の仕事ですので、旅行会社とのツアー旅行やホテル宿泊の契約と同じくらい、調律師側には、キャンセルによる精神的・金銭的な損害があることもご理解ください。


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